ドイツ伝統の菓子パンとして有名なシュトーレン。
ドイツやオランダでは、クリスマスを待つ「アドベント」と呼ばれる期間の間、少しずつ切って食べる習慣がありますが、日本でも最近人気になってきました。
ただ、買おうと思うと高くてびっくりしますよね?
今回は、シュトーレンがなぜ高いのか、そしてクリスマスに食べる理由についてご紹介します!
シュトーレンはなぜ高い?
一般的なシュトーレンの価格は、店舗にもよりますが、安いもので1000円〜高いもので7000円程度と、比較的高めです。
シュトーレンは、小麦粉を使った生地を発酵させたパンに、洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツが混ぜ込まれていて、表面にはたっぷりと砂糖がまぶされている菓子パン。
このシュトーレン1本を作るためには、たくさんの工程と時間が必要なことからシュトーレンは高くなっています。
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作り方としては、まず、生地として使われるサワー種をつくる工程があります。サワー種は、空気中にふくまれる乳酸菌や酵母を使って培養させたものです。この種は、作るのに5日程度かかります。
他にも、生地に混ぜ込むためのドライフルーツを洋酒につける作業や、漬け込んだドライフルーツやナッツを生地に混ぜ込む作業、パンの表面にバターをコーティングする作業、砂糖をたっぷりまぶす作業といった多くの工程が必要です。
より本格的なシュトーレンを作ろうとすると、小麦粉100%に対して含まれる水分量を25%以下にすることや、ドライフルーツを70%以上、ナッツを10%以上使用するといった厳しい条件も加わってきます。
また、ドライフルーツ、ナッツ、バター、洋酒といった材料をそろえる必要がありますので、その費用も多くかかるんです。
シュトーレンはなぜクリスマスに食べる?
シュトーレンの原型は、ドイツのナウムブルクで、クリスマスの贈り物として司教にささげられたものと言われています。その後、ドイツの古都、ドレスデンで今の形のシュトーレンにより近いものが作られました。
当時のキリスト教では、バターなどの乳製品の使用が禁止されていたため、当時のシュトーレンは、味はまずく淡白なものだったといわれています。
そんなシュトーレンに不満をもった人が、当時のローマ教皇にお願いして、1491年にバターの使用が許可されるようになりました。そして、水や甜菜油を使用したものに代わって、バターやドライフルーツを使った今日のようなシュトーレンが一般的になっていったのです。
その後、ドイツのザクセン公国でクリスマスに宮廷に献上するのが習わしとなり、それが元となってドイツで広く食べられるようになりました。
シュトーレンはなぜ日本でブームに?
シュトーレンが日本で売り出されるようになったのは、1969年に福岡県の千鳥饅頭総本舗がレシピをドイツから輸入して作り、売ったのが最初だといわれています。
その後、ドイツパン研究会や、ドイツパン・菓子勉強会といった団体が日本で広報活動を行っていくうちにパンブームが起こり、その後シュトーレンブームが起こりました。
SNSの普及で、食べ物の映える写真や、食べ比べの感想などを簡単にシェアできるようになったことも、日本で人気が高まっていった要因と言えますね。
シュトーレンは日持ちする?
シュトーレンは、一般にお店で売られているもので1~3ヶ月ほど日持ちします。
シュトーレンは表面にたっぷりと砂糖がまぶされているので、パン生地に含まれる水分が少なくなり、カビの発生が抑えられます。さらに洋酒のアルコール分による殺菌効果や、水分の少ないドライフルーツが混ぜ込まれていることも、日持ちする理由になっています。
また、生地に大量のバターが練り込まれていたり、パンの表面がバターでコーティングされていることで、酸化防止の効果もあります。
一方、家庭用のレシピをもとに作ったものは、食べやすくするために砂糖を減らしたり洋酒の量を調節したりしているものもあります。
生地の材料やバターの量も異なってきますので、ドイツ伝統の製法でつくられたものと比べると、家で作ったシュトーレンの保存期間は短くなり、1~2週間程度が限度になってきます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?シュトーレンを食べる風習には、ドイツの長い歴史が深くかかわっているんですね。
シュトーレンは、少しずつ切り分けながら食べることが多いですが、日が経つごとに少しずつ味が変わっていくのも魅力の1つです。
また最近では和風にアレンジした日本独自のシュトーレンを販売しているお店もあります。
お近くの店舗まで足を運んで、アレンジされたシュトーレンを食べ比べるのも楽しいかもしれませんね♪